亡くなられたヒロセさんのYoutubeに影響され、先日の記事でMixteとDiamondフレームの横剛性を比較してみましたが、両者間にあまり差がなく、「横剛性より縦剛性の方が差が出るのではないか?」とか、Youtubeで言われている「MixteとSportの差」が気になりましたので、今回モデルを作成し、比較してみました。
ついでに、MixteやSportの原点ともいえるStaggeredも検討してみました。
なかなか面白い結果になりました。
モデル
Sport
今回作成したSportです。トップチューブはΦ25.4、t=1、セントラルステイはΦ12、t=1にしてみました。
Sportって何?という方は、ヒロセさんのYoutubeを見てください。
Staggared
これも今回作成したStaggaredです。Sportのセントラルステイを外しただけです。
ヒロセさんのYoutubeでは"Anglais"でした。
解析条件
<拘束条件>
前後ハブを、X&Z方向に拘束
BBを、Y方向に拘束
<荷重>
BBの-Z方向に600N
結果
Diamond
Mixte
Sport
Staggered
結果まとめ
Frame Type | BB 変位 | Seat-Tube Top | ||
Diamond | 0.2383 | 1 | 0.2973 | 1 |
Mixte | 0.2635 | 10.6% | 0.3525 | 18.6% |
Sport | 0.2583 | 8.4% | 0.3479 | 17.0% |
Staggered | 0.9432 | 295.8% | 1.375 | 362.5% |
DiamondとMixte、Sportの差は、思ったより小さいという感じです。
Staggeredは異常です。初めは、拘束か荷重を間違えたのではないかと思ってしまいました。
変形の状況を見ると、とにかく、フロントフォークが片持ち梁なので変形が大きく、上の3種は、その反力をうまく後軸に伝えているのに対し、Staggeredは、シートチューブが3点曲げ状態になり、物凄い変形になっています。
Staggeredの応力を見てみると、トップチューブとの接合部に降伏安全率4.7という応力が発生しています。
体重61.2kgの人が、ペダルに立ち上がった状態(1g)でこれですから、凸凹道を走ったりすれば、2g、3gは発生すると思いますので、Youtubeで言われていた「男子高校生が通学に使ったフレームの亀裂」というのが頷けます。
まとめると、ヒロセさんが言っていたほど、Mixteは弱くないという感じです。あくまでも、この計算条件では。
違う条件を見つける必要があります。そうはいっても、実際の使用から外れた条件で計算しても意味がありません。例えば、ヘッドチューブを固定して、BBに横方向の荷重を掛けるとか。
今度は、クランクとペダルを作って、BBに捩じりを加えてみますかね。
それにしても、Staggeredの変形はすごいですね。 実際のフレームはシートチューブを補強してあるのだと思います。
p.s.
Staggeredというのは、トップチューブとシートステイがジグザグ(Z型)なので、そう呼ばれているようです。初めて知りました。
<引用>
staggered 【形】 驚いた、がくぜんとした 交互の、互い違いの、ジグザグ状の
ちなみに、Mixteは、男女兼用という意味だそうです。
おはようございます。
返信削除スタッガードのシートチューブには相当の力が掛かっているんですね。驚きました。
それに抗う意味でセントラルステイがあるということなのでしょうか。セントラルステイが重要なことが良くわかりました。
やっぱり、シンプルなダイヤモンドフレームというのは理に適っているのでしょうね。
そんな気がします(素人の感想です。汗)。
rikoパパさん、本当にスタッガードの変形はすごいですね。予想以上でした。セントラルステイの有無は大きいですね。
削除やはり、うまくトラス構造を使ったダイヤモンドフレームは、最高のフレーム構造ですね。