2020年7月7日火曜日

7月7日 <3D CAD>チェーンホィールの TAパターンとルネルスパターンの比較

自転車の顔となるチェーンホィール(以下CW)には、いろいろなパターン(形状)がありますが、応力的な優劣?という疑問がありましたので、簡単に解析してみました。



モデル

今回は、TAパターン(以下TA)とルネルスパターン(以下RH)の比較です。

TA

RH

RHは実物を持っていないので、写真から寸法を取りました。板厚は解りませんので、とりあえずTAと同じで計算しました。


仕様&解析条件


両方とも
48T 板厚3.5mm、ギヤ部板厚2.2mm
材質 アルミ7075(実際の材質が不明なので、7075と仮定)

拘束は、クランクとの固定ネジ部をピン拘束(半径方向&軸方向)
中央部の穴は、同じ厚さの別部品を追加して解析しました(無しでは変形がかなり違います)

荷重は、3枚の連続する歯の円周方向に各200N
実際には、もう少し荷重分担がされているかもしれません。5枚くらい?


結果

降伏安全率


TA


RH

RH 30deg (30°ずらして荷重してみました)


変位

TA

RH

RH 30deg


面のゆがみ

TA

RH


結果まとめ


数値ベースの比較です。


単位 TA RH ave
min安全率
1.828 1.818 0.5%
max変位 mm 0.1393 0.1412 -1.4%
板厚方向変位 mm 0.007271 0.005056 30.5%
質量(参考) g 129.8 117.6 9.4%

全体的には大きな差はありません。


気になったのは、変位の大きさというよりも、歪み方です。

TAの変位は、円周方向で大きな差はなく、比較的丸い形を保ったまま変形していますが、RHは、半径方向の歪みの違いが大きく、円の形が崩れています。

板厚方向の歪みも大きいのではと、数値を取ってみましたが、予想に反し、TAの方が大きな値でした。

質量は、中央の穴を埋めた状態で、TA 129.8g、RH 117.6gと、RHの方が軽いので、実際にはRHは板厚を大きくして剛性を確保しているのではと思います。




2 件のコメント:

  1. TEDさん
    RHの板厚は古物で4.4mmです。

    WSDでした。

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    1. WSDさん、ありがとうございます。4.4mmですか、かなり厚いですね。たぶん、材質も違うのではと思いますが、今度4.4mmで計算してみます。

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