2020年6月27日土曜日

6月27日 <3D CAD>フレームのパイプ板厚による違いは?

3D CADによる自転車用フレーム静荷重解析の続きです。

今回は、前三角のパイプを中央部のみ板厚0.5にし、両端の接合部は20-30mmほど板厚1.0にした場合、つまりダブルバテッドKAISEI019に近い諸元で解析し、1.0プレーン管と比較してみました。

実物のパイプ諸元(参考)
https://cyclepine.com/recommend/steelbike/pipe.html


ダブルバテッドのモデルを作成し、単純化、拘束+荷重条件を設定、メッシュ分割と進みますが、何故かメッシュ分割でエラー。

板厚1.0ではOKで、0.5でエラー。 何が違うのか解りませんが、要素の大きさ設定を10mmから15mmに変更したら、無事にメッシュ分割できました。


メッシュの状況



これでも十分細かいと思います。


<申し訳ありません。拘束条件に間違いがありました。別途再計算いたします。>


今回は、拘束条件、荷重条件を以下としました。

<拘束条件>
2分割モデルのため、切断面は切断面方向に変位しない。(X軸固定)
車軸は、上下方向に変位しない。(Z軸固定)
BBは、前後方向に変位しない。(Y軸固定)

<荷重条件>
BBの下方向(-Z軸方向)に2G(60kgの体重の2倍)。段差降りを想定。
前回は4Gにしましたが、人間の足のサスペンションを考慮。


比較です。


降伏安全率(材料の降伏応力は207MPa)

t=1.0(プレーン管)



最小部は、フォーク先端の下側です。




t=0.5(ダブルバテッド管)



この場合も最小安全率は、フォーク先端の下側です。





変位


t=1.0(プレーン管)



BB部

最大変位はフォーク先端ですが、BBの変位がフレーム剛性を表す指標になるかも。




t=0.5(ダブルバテッド管)



BB部






結果まとめ


数値をまとめてみます。



単位 T=1.0 T=0.5 悪化率
min安全率
1.131 1.031 8.8%
応力 M Pa 183 200.7 9.7%
max変位 mm 1.611 1.84 14.2%
BB変位 mm 0.3685 0.4149 12.6%


板厚1.0のプレーン管と、中央部が0.5のダブルバテッド管(017相当?)を比較してみると、応力は+10%、変位は13-14%悪化するという結果でした。

思ったより強い????

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